日経アーキテクチュアに「意匠権ウォーズ」という特集記事が掲載されています。
建築物・内装の意匠登録ができる改正意匠法施行1年後の状況を伝えるものです。
その中に、フランチャイズグループを展開し企画住宅を販売している会社が、
まったくそっくりに盗用して建築販売しているビルダーを相手に訴訟を
起こしている件が出ています。
その記事のページに問題の住宅との比較写真が載っているのですが、
ここまでする?と思わず苦笑が漏れてしまいました。
10人が10人とも「これは盗用でしょ」というハイレベルです。
これを造りたいんだったらフランチャイズ加盟すればと思いますが、
お金のこととかあれこれあったのでしょうね・・・・・
ちょっと前までは地域差があれば全然問題に上がらないことでも、
インターネットが普及している現状ではすぐに露見するのは当然です。
昔から模倣はありましたし、著名な建築家の建物を参考にするのは誰でも
経験のある事でしょう。
今回のこの記事で盗用された住宅のデザイン構成も、建築家の難波和彦氏の
箱の家シリーズそのままですけど・・・・
しかしこの件に限らず、デザイナーからしてみれば、心血を注いだデザインを
無断で使用されるだけでも腹立つことなのに、相手側のほうが商業的に
成功していりしたら噴飯モノです。
建築の場合、お客様から「あんな感じがいい」なんていうのは、
よくあることではないでしょうか?
(プライドが許さないのでそれ以上を目指します!)
自然素材を使用した和のモダンを志向している人たちも、五十歩百歩、
吉村順三さんの影響を受けていますよね。
ワタクシも巨匠の作品集を穴の開くほど見ては真似したり、気になる建築家の作品を
建築雑誌でチェックしたりと散々してきました。
そこから少しずつ経験とともに洗練されていくのではないでしょうか。
知識を含めた蓄積のないところからの創作はないと思います。
「学ぶは、真似ぶ」
とまぁ、今回の記事の盗用されてしまった住宅のデザインは、
真似されるほどに気に入られたということですね。
でも、盗みは御用です。
設計/高橋